FUWAFUWA Circus EN 英語公演スタート!

ふわふわサーカスでは現在英語版の公演へ向けての準備を進めています。なぜ英語で公演をしようと思ったのか? どんな人に観てもらいたいか? 代表のリードたまきさんにお話を伺いました。
――ふわふわサーカスで、全編英語公演をやってみようと思ったのはなぜですか?
ふわふわサーカス自体、体験を重要視した団体なんです。これまでもサーカス体験だったり、フェイスペイントだったり、サーカスを観るだけじゃない部分も大事にしてきました。その延長で、「英語を体験してほしい」と思ったのがきっかけです。
(ふわふわサーカスの様子)
――たまきさん自身は現在国際結婚もなさっていて英語が堪能だと思うのですが、子どもたちに英語を体験してほしいと考えたのは常日頃英語の重要性を感じているからとか……?
はい。英語を話せると、単純に直接お話できる人数が増えて、子どもが「何かやりたい」と思った時の可能性が広がると感じました。子どもにとっての祖父母とそれぞれの母語でコミュニケーションを取れるようになってほしいという希望もあります。
また、私自身も以前「サーカスで働いてみたい」と思って海外のリゾートホテルで働いていたんです。英語の重要性を感じたのはその時ですね。それまでも学生時代勉強したり、商社に勤務していたのでTOEICを受けたりしていたのですが会話経験がほぼなくて。それなのにいきなり海外で働き始めたので、かなり苦労しました。
――すごい! 突然飛び込んだんですね。
最初は話せないどころか相手の言っていることもわからず(笑)。でも同僚に助けてもらってなんとかやっていけました。今回は『ユニコーンとにじいろのさがしもの』というこれまで日本語で何度も公演した演目を翻訳してお届けするのですが、英語を母語にしていない主人公が、英語を話すみんなの中で頑張っている、という設定にしています。これは自分を投影している部分もあります
(ユニコーンとにじいろのさがしもの/過去の公演の様子)
――ご自身の原体験も反映されているんですね。
そうですね。英語を理由にやりたいことを諦めてほしくないけど、私のように何もなくて飛び込むよりは、まず英語に触れてもらって、「英語は遠い国のひとが話す言葉じゃなくて、隣のひとが使っているかもしれない言葉なんだよ」ということをまず感じてもらえればと思います。
だから発音についても、私自身ホテル時代はアジア系の同僚を中心にすごく助けてもらったし、英語はいわばコミュニケーションのツールなのでいろんな国の方が話す英語があっていいんじゃないかなと考えています。
(ホテル時代のサーカスチームのみんなと!)
英語に興味がある親子のはじめの一歩に
――翻訳もたまきさんがされたのですか?
ストーリー自体の翻訳は、日本で翻訳家として活躍するオーストラリア出身の友人、カイルさんにお願いしました。子どもが耳にすることを前提に、たくさんのご提案を頂きながら”ふわふわサーカス”らしさを考えつつ翻訳を進めていきました。「郵便屋さん」という一つの単語をとっても、「米国で使われているMailmanとイギリスやオーストラリアで使われるPostman、どっちがいいかな?」「オーストラリアでカジュアルに使われるPostieはどうだろう?」など、お話を重ねて丁寧な翻訳になったと思います。
オリジナル曲の歌詞の翻訳は、幼少時代をオーストラリアで過ごされ、音楽への造詣も深いMinori.Sさんにお願いしました。家族やメンバーが一緒に考えた部分もあって。例えば歌を翻訳する時、英語の歌は韻を踏むことが多いんです。「Words」ときたら次は「birds」みたいに単語の終わりの音を揃えるというか。そういう部分はオリジナルの歌詞と意味が離れないように、でも韻も踏めるように、と相談して進めたのですがいろいろと発見があって面白かったですね。
(にじいろのきせき・にじいろのきぼう〜ふわふわマーチ〜英語版もお楽しみに!)
カイルさんもMinori.Sさんも子育て中で、何歳でどの言葉を使うかなど教育プログラムを確認しつつ日々の生活の中でも体感したことをフレーズに落とし込んだり、いろいろと工夫してくださっていました。ちょうど翻訳作業中、私の義母が来日していたので英訳された台本と英詩を一緒に確認してもらいました。これまで日本語版のみだった時はイメージしか伝わらなかったことが、翻訳したことによって内容や歌が鮮やかに伝わるようになって。翻訳というお仕事の素晴らしさを実感しました!
――ちなみに先ほどTOEICの話も出ていましたが、もともと英語は得意だったんですか?
いや、苦手でしたね。特に会話は頭の中の日本語を直訳しようとしていたから、言いたいことがまったく出てこなくて。頭の中で考えているうちに話題がどんどん変わって言ってしまうから発言できない……ということが多かったです。でも海外で生活していた時は、“空中ブランコで命綱なし、地上10メートル!”みたいな仕事場だったので「考えてたら死んじゃう!」と、もう細かいことを気にしていられませんでした。
(左から、サーカスショー・空中ブランコのメンテナンス・ブランコ上でお客様のサポート中です)
(英語が苦手なまま、専門外のアクトにチャレンジする機会も多々ありました。この動画は新しい演目に初チャレンジしている様子。日々迷惑をかけながら優しい同僚にたくさん助けてもらいました。チーフはジャマイカ出身、声かけしてくれているのはインドネシア出身の仲間です。この動画公開も快くOK!って言ってくれました!恥ずかしいけど、私が英語で困っていた実例です笑)
それに、実際海外で生活してみると、意外と文法とか気にせずしゃべってるんですよね。例えば過去形も動詞を変えるんじゃなくて、「I did~」で済ませていたり。英語って言ってみればコミュニケーションのツールだから、完璧である必要はそこまでないのかなと目から鱗でした。日本に戻ってきて、私のお友達が夫と英会話の練習をすることがあって。その時に気づいたのが「自分の思ったことを100%ちゃんと伝えたい」と思うあまり、話すことをためらう方が多いという印象です。「全て伝わらなくても、その場その場で一言でも返せた方が、コミュニケーションになるかな?」と感じました。
――だからまずは英語に触れてほしい、ということなんですね。
そうなんです!「英語に興味はあるけど親子ともにどうしていいかわからない」みたいな方のはじめの一歩になったらいいなと思います。
英語がわからなくても目と耳で楽しめるのがサーカス!
――先ほど「ふわふわサーカスは体験を重視する団体」とおっしゃっていましたが、私自身子どもがいて、最近すごく思うことがあって。子どもに体験させる、さっきおっしゃったはじめの一歩をアシストすることってすごく大事だなと思うんですが、満遍なく体験させてあげることって難しいなと思って。結局親も人間だから、自分の興味ある範囲を選びがちですよね。
そうなんですよね。家庭によって親の得意不得意だったり、きょうだいとの兼ね合いだったりいろいろな事情がありますから。子どもだって同じことを体験してもつまらないと思う子もいれば「面白そう!」ってのめり込む子もいますよね。英語だったら、本格的に取り組もうと思ったら継続的に習い事をしたり家で英語に触れる必要がありますけど、その前の段階「うちの子英語どうなのかな」と思ったときに、まず今回の公演に来てみてほしいなと思います。

(日本語版・英語版、どちらも並行して公演していきたいです)
――全編英語だと、わからなくて子どもが飽きてしまわないかな?と思う心配も少しあるのですが。
サーカスアクト自体は元々、言語を使わない表現方法です。そして、ふわふわサーカスはまだ言葉がわからない0歳のお子さまでも楽しんでもらえるように、目や耳で楽しめる工夫を取り入れています。今動画サイトが普及しているので全編英語の動画を観ることはそんなに難しくないと思うのですが、全編英語のショーが見られる場所はなかなかないんじゃないかなと思っていて。セリフは事前収録ですが、見所のサーカスに加え、歌は生の声で披露するので子どもから大人まで楽しんでいただけると思います。
(過去の日本語公演の様子です、英語でも一緒に歌ったり踊ったりする予定です)
――それは安心ですね!
とはいえ大きいお子さんは内容を理解できた方がより楽しめると思うので、事前にご来場いただける方に向けてストーリーを日本語と英語両方で紹介する動画を公開するとか、同じ内容のブックレットを配布することも考えています。それらを見てからお越しいただけるとより理解しやすくなるかな?と思っています。他にも公演後に英語を母語とするスタッフと交流できるワークショップなど、「行ってみたい!」と思ってくださる皆様の声も取り入れながら、お子さんにとって初めての経験がたくさんできるような一日にしたいと思っています。ワクワクを散りばめてお待ちしています!
インタビュー記事:原智香さん
現在公演の内容を一緒に考えてくれる方、応援していただける企業様も募集中です!
ご興味を持っていただけた方は、ふわふわサーカスまでご連絡ください。
お問い合わせ先:
ふわふわサーカス こどもといっしょ
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